モーション・パルペーションの呪縛

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■植え付けられた画像
カイロプラクティックの発展の中でも、モーション・パルペーションの貢献度は非常に大きいと思う。まだ一般的でない頃に、その考えを輸入してくれた先生方の苦労と言うのは計り知れないものがある。私自身現在でもモーション・パルペーションにて椎骨の可動性を触診しているし、フィクセーション解除にカイロプラクティック・アジャストメントの意義を求めている術者は多いだろう。しかし、我々には誤った概念がある。と少なくとも私はそう思っている。

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この図はモーション・パルペーション(以下MP)を説明する際に用いられる画像である(参照:「脊柱モーション・パルペーション」)。この図は、脊柱の椎骨C1~L5まで全てに共通して考えられる、MPの基本的な概念として表現されている。そして我々にはこの絵が刷り込まれている。この刷り込まれた概念によって、臨床の場において誤った判断をしてしまう可能性がある。今一度関節の可動性を考えてみる必要があるのは間違い無い。

■可動性を制限する要素
脊柱分節の可動性は何によって制限されるのであろうか。ここで運動単位を構成する椎骨、靭帯、筋、関節、椎間板について説明するつもりは無い。これらに対する考えは普遍的なものであり、解剖学書に語られているような内容で十分だろう。これら運動単位を構成する組織によって可動性は制限される。それは単一の組織によるものであったり、いくつかの組織が関与している場合もあるだろう。

「呪縛の絵」に頚椎を例として出しておきながら、大変に申訳無いのだが、解りやすく腰椎の回旋にて説明する。

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この絵は腰椎椎間関節の状態を上から見た図である。
もともと屈曲と伸展にはある程度の許容範囲はあるものの、腰椎の回旋可動性はとても小さく、図のように矢状に向いた関節面により制限を受ける。つまり腰椎の回旋に関して言えば、靭帯や椎間板の粘弾性による可動制限では無く、関節構造的に可動制限を受ける割合が大きいと言う事だ。

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この図は上位腰椎がPLしている状態を表している。このような変位の時に、MP時にどのように触知されるのかを考えてみたい。

通常我々が頭に描くのは、「呪縛の絵」のように棘突起をPR方向へ押圧かけた時に抵抗を感じ、PL方向へは可動性を感じると言うものである。しかしこれは臨床の場において、必ずしも一致しない。

PL変位する要素の1つ目として左椎間関節の陰圧を想像してみよう。関節包内の潤滑不全等により陰圧が作られたとする(当然他の要因もあるだろうが)。するとこの場合、どう考えてもPL、PRどちらの方向に押圧かけたところで抵抗を感じるはずである。

PR方向へは関節陰圧による可動制限を感じるだろう。これは窓ガラスに吸いついた吸盤を剥がすようなものである。

PL方向はどうかと言うと、これも椎間関節の抵抗に合い、可動制限を感じるはずである。2つ目は軟部組織の短縮である。筋と言うのが初めに短縮し、その状態を維持しようとして、次第に靭帯に微量な石灰沈着が発生すると考えるのが妥当だろう。この場合もMPの結果は陰圧による可動制限と同様である。また、筋の短縮が弱い場合は、従来の呪縛とは逆に、PR方向への押圧で可動性を感じられるだろう。

3つ目は椎間板髄核変位による上位椎体の変位である。椎間板病変の状態にもよるが、可逆的な要素を残している場合、ある程度の流動性を残しているであろうから、一般的に考えられるPR方向への可動制限は無いかもしれない。

当然遠隔的に関節がロックした状態(バックリングって言うのかな)も考えられるのは承知している。何故承知しているかと言えば、日常的にその作用を応用して目的関節をロッキングし、アジャストしているからである。しかしこれは静的、つまりある特定姿位にてロッキングが発生するのであって、姿勢が流動的と考えると、我々が日常相手にしているどの姿勢にも現れる分節的フィクセーションとはチト違う。これは靭帯や関節面構造を利用して自由度を制限した状態と言える。アジャスト前にロッキングが弛んでしまう事があるように(汗)、姿位を変換する事でロッキングは解除されるだろう。

更に機械的受容器の障害、異常により、ある関節が「捻られた」との誤認情報(痛みとは限らず、ズレている感覚なども含む)が求心的に伝達されたとすると、それに対して体が防衛的に回避姿勢を取っても不思議では無い。その際に筋が関節可動制限する場合も考えられるだろう(と言うか臨床的には多いはず)。

これらの事をふまえた上でも、従来の「呪縛の絵」は非常に少ないケースであり、実際には変位と共にPL、PRどちらの方向にも可動制限が発生している例が多いと考える。
さて、ご意見、お叱りはBBSで受ける所存である。経験豊かな先生方に是非とも「呪縛の絵」の正当性を証明してもらいたい。それはそれで私の肥やしとなるから。

■触診ネタのついでに
わざわざこの場で偉そうに提示する必要も無いほど当り前の話しであり、わざわざ読んでいただくほどの物でも無いのだが・・・。
腰椎すべり症に関しての考察ってのをしてみようかなと。え~とまずは絵を探してっと・・・面倒だな。次の行までにかな~~~~りの時間を要したと思ってくれ(笑)。やっぱり心情的には当り前過ぎて面白みが無いし、それを説明するためにページ作成する労力と言うのは面倒なのだーー。「すぐに知りたければウチに来い。」と言いたい。

よって
以下工事中

と思ったが、面倒なので止めた。