日常生活で腕を肩より上に挙げる動作はあまりありません。使わない機能は低下しますので、ある意味現代生活では五十肩になるのも仕方ない事なのかもしれません。
ですが痛いものは痛いので、なんとかしなければなりません。
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あくまで“的”なので。。
ストレートネックや肩こりなど、首や肩周辺の痛みの原因、治療法を解説。
日常生活で腕を肩より上に挙げる動作はあまりありません。使わない機能は低下しますので、ある意味現代生活では五十肩になるのも仕方ない事なのかもしれません。
ですが痛いものは痛いので、なんとかしなければなりません。
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つい最近まで、人間の頚椎は横から見ると前凸のカーブをしていました。これを頚椎の前弯と言います。
この地球に人が誕生してから現代まで、厳しい環境の変化に適応するように生き、その種を保存するために必要な形を獲得してきました。人間の頚椎前弯もその獲得形質したものの一つでした。
■痛みの原因
頚の痛みの原因として考えられるものとしても、腰痛の原因としてあげた6つの要素があてはまります。これらの要素の中でも経験上多く感じるのは
1,筋肉が原因
2,関節が原因
3,椎間板が原因
の順番ではないかと思います。
1,筋肉が原因
筋肉が硬くなったり、筋線維の軽い断裂などで頚が痛くなったりします。
ここで問題なのは硬くなった原因を解消しなくては、再発する可能性があると言うことです。
現代のライフスタイルの中で、最も考えられる原因は「長時間の持続姿勢」ではないでしょうか?パソコンや長時間の編物、勉強などで同一姿勢を維持しようとしますので、筋肉はその間等尺性収縮した状態と言えます。
これは簡単に再現出来ます。水の入ったペットボトルを片手に持ち、それを腕を伸ばした状態で、目の前に突き出してください。5分位でも肩首、背中が張ってきませんか?長時間のパソコンや編物はこれと同じような状態が続いているようなものです。
長時間の等尺性収縮をしていた筋肉は、伸びにくくなります。これを筋不全と言ったりします。
また精神的ストレスが原因で筋肉が硬くなる事があります。精神的緊張状態は交換神経優位の状態です。これは言わば戦闘準備状態。いつでもケンカ出きる状態です。水泳のスタートで言えば、「take your mark」。100M走なら「ヨーイ」の状態。いつでも飛び出せる状態です。当然筋肉は硬く緊張してなくてはなりません。この結果、頚肩周辺の痛みとして現れます。これを筋緊張と言ったりします。
これら筋肉が硬くなった状態で、不意に外的力が働いた場合、その衝撃を吸収出来ずに筋肉線維が細かい断裂を起こします。「ねちがえ」などは急に発生したものではなく、その伏線として筋肉が硬くなっていたことが考えられます。この筋線維断裂が発生すると、人間の自己防衛反応が発生します。損傷を受けた場所をそれ以上動かさないように、周辺筋肉が更に硬くなるのです。これを筋スパズムといったりします。
仕事や家庭の中に普及し始めたパソコンの影響で、ストレス、持続姿勢を引き起こし、頚周辺の筋肉を硬くします。そしてついには線維断裂を起し、筋スパズムが発生してしまう。近年多く見られるパターンです。
この線維断裂した箇所が修復される過程で、隣の線維と融合したりすることによって、線維の流れが乱れ、キズ痕のようになって治癒する場合が考えられます。
皮膚でもキズ痕として周辺より盛り上がっている箇所が誰にでもあると思います。これが筋肉の中で形成されたような状態だと思って下さい。このしこりのようなキズ痕は周辺神経を刺激する事になります。するとその神経の関連する箇所に痛みが広がったりするのです。これを筋トリガーポイントと言ったりします。
2,関節が原因
以前まで私は「頚椎部での椎間関節痛と言うのは発生しにくい」と考えていました。それは頚椎の関節構造上からかなりの可動性を有しているからです。つまりかなり曲げないと関節面が圧迫(実際に関節面どうしが接触することは無い)されないと思っていたからです。
それよりも椎骨が変位(わかりやすく:ズレること)することによって神経根の圧迫のほうが発生しやすいと思っていました。何故なら椎骨と椎骨の間を神経根が通っています。この通りぬける通路を椎間孔と言いますが、神経根にとってこの椎間孔は狭い通路のような存在なのです。幅6メートルの道路にトラックが走るような感じです。(余計わかりづらいかな?)
上下の椎骨がズレることでこの椎間孔は容易にそのスペースを狭くします。これにより神経根を圧迫(椎骨が直接ではなく、間の組織を介して間接的に)し易いと・・・思っていました。
具体的に以前までは、首を後に反らすことで発生する首から肩、肩甲骨内側に出る痛みは、神経根の圧迫が原因ではないかと考えていました。
しかし神経根の圧迫であるのなら、頚椎ヘルニアと同じように神経の走っている末梢の部分、つまり下部頚の神経であれば、手に知覚異常などの症状が出るのが普通なのですが、このような症状は診られないパターンがあるのです。神経学的検査(神経の伝達がスムースに行われているかを調べる検査)も陰性として出ます。
つまりこのパターンの痛みは、神経根の圧迫による放散痛(神経障害によってその経路に出る痛み)では無く、関節面の圧迫による関連痛と呼ばれるものではないかと思うのです。
関連痛とはある箇所が問題で、そこから離れた場所に痛みが出るものを言います。放散痛も関連痛の1種ですが、一般的に関連痛と言われるものは神経経路には関係の無い場所に現れたものを指してそう呼びます。
あえて頚部に発生しているであろう関節面の圧迫による関連痛を椎間関節関連通と呼ばせて頂きます。
椎間関節関連痛の多くは、関節可動性減少が大きな要因となっていると考えます。通常の椎骨は左右にも同じように傾くことが出来ます。これに対して左に傾いたようなズレ(ホントはズレでは無いが)があり、左には傾くことが出来ても、右に傾く動作に制限がかかった関節があったとします。するとその関節は左の関節が圧迫を受け易い状態になります。この左の関節は椎間関節関連痛を発症しやすいと言えます。
この頚部の椎間関節関連痛とも言えるものは、従来整形外科の治療では牽引療法や、ブロック注射が主体で行われてきました。確かに関節面が圧迫されているのを離開させるのは、牽引が好結果となって現れる場合もあります。ですがそのほとんどは治療効果がみられません。関節の可動性が減少した箇所はそんな簡単に離開してはくれません。
頚椎は7個ありますので、例え14kgで牽引したとしても、可動性減少した関節には牽引力が働かず、他の椎骨間に牽引力が分散されてしまいます。もっと言うなら座位での牽引であれば、胸椎、腰椎まで牽引力が分散されることでしょう。
関節の可動性回復をしなければ、この手の症状は取れないと思います。手前ミソになりますが、それには カイロプラクティック施術は効果的 だと思います。実際に施術後即座に肩周辺の圧痛が取れるのを経験した方も多いのではないでしょうか。
3,椎間板が原因
「2,関節が原因」のところで触れたように、背骨の1つ1つの間を神経根が通っています。この通りぬける通路を椎間孔と言いますが、神経根にとって頚椎の椎間孔は狭いのです。
つまりその狭いスペース近辺にある椎間板が膨らむことによって、より神経根周囲の空きスペースが狭まるわけです。これにより神経根を圧迫(椎骨が直接ではなく、間の組織を介して間接的に)し、神経の走向する部分に痛みや、末梢の部分にシビレが生じます。
本音から言わせて頂くと、腰椎ヘルニアの施術のほうが大変です。頚椎ヘルニアのほうが、緩解する期間が短いと思います。(症状によりますが)
椎間板は線維が斜めに走向しているので、回旋に弱い構造になっています。また、圧がかかることで中心にある髄核が外側に膨らもうとします。回旋によって線維輪が断裂して、圧迫がかかった髄核が断裂した線維輪の間をくぐり抜けて外側に突出するのが典型的パターンのようです。
頚椎で考えてみると、椎骨は回旋しやすい構造になっていますので、過度な回旋や、急な回旋によって線維輪が断裂を起すのは想像できます。しかし圧迫を考えると頚椎の上に乗っているのは頭部だけです。頭で重い物をもつわけでもありません。(頭の上に荷物を載せる風習のある国もありますが・・・) 外的な重量増による圧迫負荷とは考えにくいと言えます。
とすると内部からの圧迫です。その1つは頚椎部筋肉の短縮(緊張)が挙げられるかと思います。何故筋肉が硬くなるかは「1,筋肉が原因」をご覧下さい。
これ以外には、重い物を持つ仕事のかたに、頚椎ヘルニアが診られるケースが多いです。これは重い物を持つ際に腰だけでなく、頚椎部筋肉まで緊張させてしまうからではないかと思います。
頚椎ヘルニアの症状の特徴としては、手にシビレの症状が出ることです。ヘルニア化した椎間板レベルによって、親指にシビレが出たり、中指に出たり、小指側に出たりします。頚椎椎間板ヘルニアによって両側の手が同じようにシビレるケースは稀です。(あることはありますが・・・) 患側の手を頭に載せるようにするとシビレが軽減するのも頚椎ヘルニアの特徴です。
カイロプラクティックによる徒手牽引が効果的だと思います。整形外科院等での機械による牽引ではあまり効果が無いように思います。顎の関節にも負担がかかりますし、患者さんが座る姿勢によっては痛みやシビレが強くなってしまう場合があります。機械による牽引を行うのであれば、7~8kg程度の軽い牽引力で20分前後の時間で、首のカーブが真っ直ぐから軽い屈曲位になるように座ってから行うようにするとよいと思います。
参考:
「アーティストの為の解剖学」Fritz Schider
グレイ解剖学 原著第2版
他解剖学書
肩こりをカイロプラクティック的に考えてみます。
我々が扱う疾患の中でも、実は肩こりは難しいのです。