腰椎分離すべり症の臨床的特長


分離すべり症に関しての記事を書いていますが、興味の無い方からすれば面白くもなんともない話なのでアクセスなんかもあまり期待できないとは思います。それでもまあ誰かの目に留まって何かの役になったのなら幸いです。

さて前回
「分離したからと言って、そう簡単にすべる訳ではない。すべるには前後縦靭帯が弛緩しなければならない」
と書きました。実際その通りで、分離が見つかってもすべってない方はけっこういらっしゃいます。もっと言うなら、逆に分離してなくてもすべっている方もいるのです。つまりすべり症を起こすには、分離って因子よりも他の因子のほうが大きいって事になります。

その重要な因子が椎間板狭小化です。

椎間板が薄くなると前後縦靭帯が弛緩します。

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分離していた場合、靭帯が緩んだ分だけ椎骨は動く事が出来ます。普通なら椎骨は後下方に移動します。なぜなら椎間関節と言うストッパーがあるからです。そのストッパーが外れた状態が分離症であり、分離が無い通常の腰とは逆の前下方へすべって行く事となります。

ところが分離していなくても前方へすべる場合があります。これを変性すべり症と言います。腰椎椎間関節は関節面が弧を描くような形をしていますが、矢状面での関節構成要素が優位だったり(先天的要素)、椎間関節の隙間が狭小化したりすることによって、前方へすべってしまうのです。

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臨床上の特徴として、分離すべりの場合すべっている椎骨の一つ上から棘突起の階段形成がみられますが、変性すべりの場合すべっている椎骨の棘突起から前方へ凹んで触診することが出来ます。

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この分離した棘突起はブニュブニュと触われるように思われますが、臨床上は他の椎骨との差はほとんど無く、しっかりと触れます。これは上下棘突起間にある靭帯と、棘突起に付着している筋肉が分離した棘突起を安定させているからだと思われます。

さて、ここまでは検索すればそこそこ見つかる内容で、さほど面白くも無いかもしれません。これからは実際に分離や変性すべりを多く見てきた者でなければ解からない内容を書きたいと思います。

まずこれまでの内容をまとめると、分離すべり症の場合腰にテリア犬を飼っていて(分離していて)、椎間板狭小している場合すべると書きました。ここで聡明な読者の皆様は一つの疑問を抱きませんか?

「テリア犬って同じ椎骨でも2匹?逆を向いているはずだよね。左斜位から首輪つきのテリア犬がみつかったとしても、右斜位では野良テリアかもしれない」

その通りです。つまり左側分離したとしても、右側が無事ならば椎間板狭小化してもすべりません。多少回旋変位するだけです。すべり台の上で片手を離してももう一方で踏ん張れるように。

心おきなくすべるには両側分離しなければならないのです。片側分離の場合、片手ですべり台を掴んで踏ん張っているようなものですから、運動の特異性や生活習慣が変わらず、筋力的にも変化が見られなければ、将来的には健側にも負担がかかり逆向きのテリア犬を飼う(分離)ことになる可能性があります。

単純に腰を反らせる動作などを反復する運動は分離を招く恐れがあります。良く

「腰痛には水泳が良い」

などと短絡的に水泳を勧める医師や治療家がいますが、泳法等によっては分離を促してしまうので注意が必要です。まず顔を水上前方に上げる泳法、練習はできるだけ避けなければなりません。具体的には平泳ぎ、ビート板を持って顔を上げての各キック、バタフライ等です。更にはクイックターンやスタート(飛び込み、水中問わず)も蹴りだす姿勢によっては腰を痛めます。
蛇足ですが、シンクロナイズトスイミングの選手に分離が多いのも付け加えておきます。

悪い生活習慣としては、うつ伏せで頭を上げて本読むなどの姿勢も良くありません。重い荷物を抱えるのも腰を反らせる原因になったりしますが、重くなくても大きな荷物を抱える時も腰をそらせてしまうので、軽い荷物だからと言っても油断は禁物です。

分離に対する腰の筋力強化と言うと、腹筋、背筋(この場合一般的に理解されている腰を反らせる筋の意)と考えがちですが、日常生活が行なえているのであれば、背側の筋肉は鍛える必要はほぼありません。7:3の割合で腹筋を鍛えて下さい。腹筋を鍛えることによって、腹圧が高まります。この腹圧が前方へすべり出そうとしている腰椎を押し戻し、腰の太い柱となります。

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分離の場合、最初の頃の腹筋強化としては反復運動は避けたいので、仰向けで膝を曲げて頭から肩を持ち上げた状態で30~40秒ほど止めるような腹筋運動をして下さい。この運動は腹筋上部を鍛える運動ですので、問題となる腹筋下部を鍛える運動は直接聞きにきて下さいw
反復する腹筋運動は、これらが問題なく行なえてから行なうようにしましょう。

 

続く


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