ショルダーバッグを持つ側がいつも同じだと、その重さで肩が下がり背骨が歪む、と言う迷信があります。バッグの重さが身体を歪ませると言うのは、もっともらしい発想です。
人間の身体は、その置かれた環境に適応しようとしますので、その人の仕事や運動に適応するように筋肉が発達したり、身体が歪んだりします。
しかし「バッグの重さで肩が下がる」はちょっと違います。実際には反対側の肩が下がる傾向にあります。ちょっと疑問ですよね。では説明致します。
何故?バッグを持つと背骨が歪む?
1.
短時間的にはバッグを掛けた側の肩をすくめ、バッグがずり落ちるのを防ごうとします。肩をすくめる筋肉は、同側の首部筋肉の一部でもあるので、首の骨が歪みます。
2.
肩をすくめる筋肉が疲労してくると、今度は腰部の筋肉を使い、身体を側屈させるようにしてバッグのずり落ちを防ごうとします。人間は両目を水平位に保とうとしますので、身体を側屈させた分を補おうとして、首を傾けます。
1.2ともに身体全体の歪みが出来上がり、その歪みによって腰痛はもちろん、首、背中の痛み、肩こりなどの症状がでますし、ひどいものでは、頭痛、目眩などの症状にまで及ぶ事もあります。
ショルダーバッグでアゴまで歪む?
具体的な例で説明しますと、右利きの方は、右手をフリーにしようとしますから、左肩にショルダーバッグを掛ける傾向にあります。すると右肩下がりの歪みが作られますので、首は左に側屈して両目を水平にしようとします。しかし人間は左右のバランスを取ろうとして、若干左目が下がるまで首を曲げてしまうのが常です。
アゴの骨はブランコのようなものですので、重力の影響を受け、傾いたほうに歪んで行きます。
鏡を見て「イー」っとしてみて下さい。下アゴがズレていませんか?そのままにしておきますと、アゴの痛みはもちろん、偏頭痛や精神的疾患にまで影響を与える可能性もあります。
これまでご説明してきたように、肩掛けカバンを使うことによる身体への影響を無視する事は出来ません。どう考えてもアンバランスで、身体を歪ませることでバランスを取っているわけですから。日常使いであれば、できるだけリュック・バックパックなどを使うようにして下さい。両手もフリーになりますので、つまづいたような時にも安全です。