■アクチベーターってどうよ?2
【はじめに】
私が所持しているのは、今や古いタイプの「Ⅰ」である。誰もがこう信じている。この機械で得られるスラスト力は、調整ネジ部によって一定に保たれ、スラスト力の強弱はそのネジ部を調整する事によって得られていると。本当にそうなんだろうか。当方が行った実験の結果、一見誰が扱っても同様の刺激が加えられるように思えるが、実際には術者による差異が発生する要素が否めない。また、アクチベーターによる刺激量は、徒手によるものとどう違うのかを考えてみたい。
【アナログメーターによる計測】
うう~~~。
計測結果に対する真偽性に疑問を抱いたのでFinger Pressure Meter(以下FP計)にて計測してみると・・・。
あちゃーー。ダメじゃん。
デジタルフォースゲージのバカ!!
計測不正確じゃん!
検証は他計測機器等を使用して、何回も再検しながらやりましょう。
と言う事で旧ページで公開した内容は半分程度忘れてくれ!
やっぱアナログだよな。単純で良い。
さあ!気を取りなおして計測だ!
まずはアクチⅠのリングを1回転ずつ開きながらアジャスト強度を測定した。ここで不思議な事を発見した。これは私のアクチの特性かもしれないが、アクチ先端パーツは打つごとに回転している。最大リングで25回程度打つと一周した。これはコークスクリュー効果なのか・・・(笑)?バネが伸張しながら回転する為に、そのバネが当る先端部が回転するのかもしれない。どっちにしてもも接触部位には微量ながらCCWのトークがかかる事になる。製作者はそこまで考えているのかどうかは知らないが。
赤い部分が右ネジ方向に回転する。 |
計測結果 | |||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 平均 | ||
1回転 | 環椎チップ | 2.0 | 2.1 | 1.7 | 1.8 | 2.0 | 1.92 |
チップ無し | 2.2 | 2.0 | 1.8 | 2.1 | 1.9 | 2.0 | |
2回転 | 環椎チップ | 3.9 | 4.0 | 3.6 | 3.7 | 3.5 | 3.74 |
チップ無し | 3.5 | 3.6 | 4.0 | 4.2 | 3.8 | 3.82 | |
3回転 | 環椎チップ | 6.6 | 5.5 | 6.0 | 5.3 | 6.0 | 5.88 |
チップ無し | 6.0 | 6.0 | 5.3 | 5.5 | 5.8 | 5.72 | |
4回転 | 環椎チップ | 8.3 | 7.5 | 7.8 | 7.6 | 7.6 | 7.76 |
チップ無し | 9.0 | 9.5 | 9.6 | 8.6 | 8.4 | 9.02 | |
5回転 | 環椎チップ | 8.1 | 8.5 | 8.6 | 8.5 | 9.0 | 8.54 |
チップ無し | * | * | * | * | * | * | |
最大 | 環椎チップ | 8.9 | 8.5 | 8.2 | 8.5 | 8.5 | 85.2 |
チップ無し | * | * | * | * | * | * |
*はメーター振切り。
数字はkg。
片手で固定。
FP計はトムソンテーブル上に置いて計測。
アクチのスラスト力はそのバネに依存してる。単純にバネの強度を計測してみると・・・[Finger Pressure Meter(FP計)による計測]調整ネジ1回転から0に戻すのに必要とする力は、約4.5kgであった。また、調整ネジ最大から0に戻すのに必要な力は、7.5kgであった。
ネジ3回転までは、環椎チップの装着による差はあまり見られないが、それ以降になると大きく差が出る。これは矯正箇所にゴムクッションを1つ介するか、2つ介するかの違いと考える。ゴム弾性による緩衝が3回転以上で現れるのだろう。
この段階で言える事は、アクチによるスラスト力は
バネ強度×速さ
であると言う事だ。調整ネジ最大時のスラスト力をみれば解るように、完全にバネ強度を上回っている。
速さとは何か。アクチ先端部の移動距離が長ければ加速が得られる。これは調整ネジに依存する。
ネジ1回転の状態では加速は殆ど得られないので、ほとんどバネ強度によってスラスト力が決まるだろう。しかし1回転時には4.5kgのバネ力があるのだから、4.5kg+αのスラスト力が得られても良いと思うのだが、何故計測数値は2.0kg程度なのか。
答えは簡単である。
アクチを打った瞬間を考えると、矯正とする方向とは逆に、術者側にも衝撃が加えられるのだ。つまりアクチによるスラスト力はSCPと矯正手に分散されるのだ。つまり矯正箇所には2.0kgのスラスト力が働きながら、矯正手にも2.5kg×α(速さ)のスラスト力が加わっている事になる。
これは単純にアクチの発射するスピードに、術者の抑える力が追いつけない為だ。AK-MMTを想像すると理解が早い。つまりアクチのように非常に早いスピードで加えられた力(刺激)に対して、人間は万力のように完全に止まる事は不可能なのである。
これを単純に考えると、調整ネジ最大時には、術者の腕にも矯正箇所と同等のスラスト力がかかっている事になる。また肘が痛い。
このアクチ+FP計にての計測で思った事は、
「アクチを持っている腕には、確実に0.5秒以内の刺激に対する反応が必要とされる。これを利用して客観的AK-MMTが出来るのではないだろうか?」
と言う点である。この方法を使って
「MMTを科学してみようかなⅡ」
で検証してみる。ホントに害になるものを持つとAK-MMTは低下するのか?今の段階では
「んなあこたあ無い」
と思っている。