下肢への症状⇒仙腸関節なのか、腰部なのか

メディアの影響ってのはすごいもので、テレビで「腰痛=仙腸関節起因説」を唱えると、次の日には問い合わせが来ます。
その番組を作っている人も、それを見た人もなんか勘違いしてるみたいなんで、ハッキリ言っときます。

“仙腸関節の問題だけで、膝下まで痛みや神経根症状なんてめったに出ませんテ”

なんかもう怖いッス。
テレビ教ッスか?
面白おかしければ、あの連中は何でもネタにしますから、話半分程度の信頼度だと思ってないと踊らされ続けますよ。

下肢へのニューロパシーに関して、シビレは神経の圧迫、痛みは神経が炎症したり受容器が刺激される事によって出る訳ですから、下肢へ向かう神経の配線図を考えれば、神経及び受容器を圧迫、刺激する可能性が一番高いのは、下部腰椎間椎間孔周辺(孔狭小化、椎間板突出の問題も含めて)って言うのはサルでも解る話です。

無題

*画像元は忘れました。問題あるようでしたら削除します

それをテレビでは面白おかしく“仙腸関節犯人説”に仕立て上げてるわけですね。
仙腸関節由来の痛み、違和感であればそれは関連痛として現れます。その場合症状の多くは膝上までで、膝下に出る事は稀です。腰部由来の根性症状であれば、膝下まで出ます。そして仙腸関節由来のものは、神経学的検査で陰性となり、腰部由来のものは陽性として出ます。
仙腸関節由来のものは仙腸関節圧迫検査で陽性、仙腸関節可動性検査で痛みを訴える場合が多く、SLR等の検査にも明らかな差がでます。
まあ、カイロプラクティックを始めて1~2年程度も経験すれば、問診、各種検査で判別可能な訳です。

ただ
“仙腸関節の問題だけで、膝下まで痛みや神経根症状なんてめったに出ませんテ”
の“めったに”が落とし穴ッス。
仙腸関節に問題があれば、仙骨底(骨盤の基底面)に傾きが生じます。この仙骨底の上に腰椎、脊柱が乗っかりますから、この基底面が傾くと上に乗ってる脊柱がバランスを取るために歪みます。
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これによって椎間板が劣化し狭小してたりすると、椎間孔が狭小化します。椎間板髄核もオープンサイドに移動し、ヘルニア化しやすくなります。つまり仙腸関節の一次的問題が、腰部の二次的問題を引き起こす可能性がある訳です。

「何言ってんだよ。仙腸関節の問題だけで“めったに”でるパターンの話だろ?」
ってそうそう。仙腸関節の問題だけでも膝下まで出る場合があるのです。
梨状筋って筋肉が坐骨神経を絞握した場合に起こります。この筋は仙骨から大腿骨大転子に付着し、この筋間を有名な座骨神経が通過しています。仙腸関節の問題、痛みにより梨状筋が緊張し、座骨神経をギュっと握り締めちゃう訳です。

特徴としては、筋が収縮する立位時に症状が出やすいので、臥位では筋が弛緩して症状が出にくいです。

何でもカンでも妄信的に仙腸関節のせいにしとけば良いと言うのは大きな間違いで、各種検査により直接的原因と間接的原因を探り、的確な対処をする必要があります。

身体全体の歪みに関しても私個人の感想を言えば、仙腸関節由来説を唱える施術家が多すぎるように思います。それが解りやすいからなのでしょうが、人間の脊柱は静かな水面に小石を投げ波紋が広がるかのように、どの部分からでも身体全体の歪みに波及する訳です。しかしながら筋や関節の構造から、支点となりやすい椎骨があるものです。当院では身体全体の歪みの元となる椎骨を脊柱で9個、骨盤の歪みで大別して4種と考えています。
NC[new chiropractic]と言う考え

もちろんこれら椎骨の組み合わせによって、症状、歪みも複雑化します。


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