テクニックによる分類
① ディバーシファイド・テクニック
ようは、皆さんが一般的に想像するカイロプラクティックの矯正法です。「身体をひねって”バキッ”」とやるやつです。ディバーシファイドとは「多種多様な」との意味。
② アッパー・サービカル・テクニック
B.J[B.J.Palmer]の発案によるテクニック。「人間の身体機能は脳幹が支配している」との考え、生きているときには脳幹がC2まで下がっているはず、との研究結果から、C1とC2の矯正のみで全身の治療になるそうです。
C1の矯正で特徴的なのは、横向きで首の付根に接触し、ほんの少し持ち上がったベッドが落下するときのスピードを利用して矯正します。(サイド・ポスチャー・テーブル)矯正によって高められた「イネイトインテリジェンス」(先天的治癒能力。脳幹に存在すると考えられている)が全身の各疾患に対して治癒効果をもたらすそうです。
腰痛でもC1とC2のみです。
③ ガンステッドテックニック
脊柱全体のX-Pに、特殊な定規などを使って線を引いて行く分析法で有名。「椎骨はまず後方へ変位する(C1以外)」としたのは解剖学的見地からで、椎間板内圧による椎骨変位や、メジャー・サブラクセイション(1番重要且つ種症状、脊柱の歪みの根本的原因となっている変位)に対する矯正、と言う考え方を重要として、矯正もPI変位の改善を主としています。
矯正箇所に対して何種類かのベッドを使いわけます。
Clarennce S. Gonstead発案。
④ トムソン・テクニック
B.J発明のドロップ・テーブルにヒントを得て、頭部、胸部、腰部、骨盤部がそれぞれ個別に落下する仕組みの「トムソン・テーブル」を開発し、これによって各部を矯正して行きます。ディアフィールド・テストと言って左右の脚の長さを比べる診断法も採用し、システマティックに治療して行きますので、沢山の人数を診ることができます。
またこのトムソン・テーブルは、身体の小さな施術者や非力な施術者には強い味方となってくれます。
Cleay Thompson発案。
⑤ グットハート・テクニック
別名「アプライド・キネシオロジー(A.K)」の名前で有名です。筋力検査等からアジャストする椎骨を導き出したり、軟部組織(筋肉、靭帯等)に対してのアプローチが特徴。
「Oリングテスト」の原型となっています。
George J. Goodheart発案。
⑥ ディジョネット・テクニック
[S.O.T(仙骨後頭骨テクニック)]で有名。脳脊髄液の流れを重視し、それがとどこうることによって、様々な疾患を引き起こす、との考えの元、後頭骨、蝶形骨と仙骨に脳脊髄液のポンピング作用があると考え、矯正の対象としています。
Major B. De Janette発案。
ディジョネット・テクニック[S.O.T(仙骨後頭骨テクニック)]で使用する「ブロック」。
これを骨盤などの下に置いて、患者さん自身
の体重を利用して矯正する。
⑦ ベイシック・テクニック
「ローガン・ベイシック・テクニック」との名前で有名。約6年間に渡るX-P研究の末人間の身体の歪みを10種類に分類しました。
「この10種類の歪みに当てはまる患者は一人としていない。だが、この歪みが形成される過程を学習することで、様々な歪みに対処できるだろう。」
っていう内容のことを言ってます。
Hugh B. Logan発案
⑧ ピアーズ・テクニック
独特な頚椎X-Pの分析法により、アジャストメントする箇所を見つけ出す。基本的にはC5と骨盤の矯正を重要視しています。このピアーズテクニックの書籍「RESULTS」はバインダー式の本で、新たな事実や理論が発見されたときに、いつでも付け足せるように工夫されています。
Walter V. Pierce発案
* N.Cテクニック
当院のベースとなるカイロプラクティック理論です。身体全体の歪みに影響を及ぼすであろう椎骨の変位を、骨盤を含め「13のユニット」に分類して考えます。基本矯正箇所は脊柱の土台となる骨盤と、身体の歪みに対して、最終的に目を水平位に保とうとするときに緊張する後頭下筋群が付着するC2です。
矯正技法としては、トムソン・テーブル、ディバーシファイド系の手技、アクチベーター(ピストル型の瞬間矯正器具)を使用したりします。
R. Komiya発案。(私ではありません)
矯正する椎骨数による分類
①スペイシフィック・アジャスティング・テクニック[Specific adjusting technic] B.Jによって低唱された矯正技法で、狙った椎骨1つのみを矯正し、他の椎骨には影響を与えないようにするテクニックです。矯正する箇所はそれぞれの理論によって違いますが、どの理論も該当椎骨のみを矯正するのを重要視しています。
②ゼネラル・アジャスティング・テクニック[General adjusting technic] 何個かの椎骨を同時に矯正するテクニックです。原始的テクニックと呼んでいいのではないでしょうか。ようは、頭とアゴをもって、”バキ、バキ、バキ”とやったり、骨盤と肩を押さえて腰を”バキ、バキ、バキ”とかの矯正です。矯正するべき椎骨に接触して矯正するのではないので、なんで良くなったのかが分からないし、危険度が高いです。
当然スペイシフィック・アジャスティング・テクニックを使用するべきなのですが、ディバーシファイド・テクニックやガンステッド・テックニックでは、これが(矯正技法としては)なかなか難しい。
続く・・・
****参考書籍****
たにぐち書店 出版
「カイロプラクティック概論」
鈴木 正教著