骨盤矯正ダイエットに騙されないで!

“骨盤矯正ダイエット”を検索すると、カイロプラクティックがセットで表示される事が多いです。

当方にも
「骨盤矯正すると痩せるんですか?」
等の質問をよく頂きます。結論から言えば
そんな訳無いじゃん
が答えです。

骨盤ダイエットの根拠と言うか、作用機序って何なのかを調べに、書店で骨盤矯正ダイエットの本を立ち読みしてみました。

すると
「骨盤骨格を理想的な状態に近づける事でウエスト等のサイズダウンが出来、代謝が上がる事で脂肪が燃焼し易くなる」
ってニュアンスの事が書かれていました。そこで骨盤矯正ダイエットの“サイズダウン”と“代謝が上がる”について考えてみたいと思います。もちろん、エクササイズ等による骨盤矯正ではなく、カイロプラクティック的骨盤矯正による骨盤矯正ダイエットに関して考察してみます(主体性無く、安易にブ-ムに乗ろうとする輩に対する批判を込めて)。

サイズダウンについてですが、これは簡単な理屈で可能です。

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このタマゴのように、前傾している骨盤を起こすだけでもウェストのサイズは変わります。

 しかしこれは痩せたと言えるのでしょうか? 

違いますよね。これで良いなら、私も明日から骨盤ダイエットのカリスマになれます。ダイエットと言うなら、あくまでも体脂肪率で考えなければ痩身とは言えません。それにこの骨盤ユニットの前傾を起こすのなら、骨盤や仙腸関節ではなく、腰椎へアプローチしたほうが効果的です。

次に骨盤ダイエットの効果として言われている“代謝が上がる”について考えます。

代謝が上がるとは、つまり消費カロリーが増えると言う事になります。では基礎代謝が上がるのでしょうか?

基礎代謝とは何もしないでいても消費されるカロリーの事です。こいつを上げる手っ取り早い方法が筋量をあげる、つまり筋肉を着ける事です。体組織の約40%といわれている筋肉は、使わなくてもただあるだけでカロリーを消費しますから。でも骨盤矯正で筋肉が着く事はあり得ませんから、これは無いでしょうね。

それとも運動代謝(生活活動代謝)が矯正前よりも上がるのですか?骨盤ダイエット前と変わらぬ日常生活をしているのに消費カロリーが増えたとなると運動効率が悪くなったか、筋量が増えたか、ウィルスに罹患して体温が上昇したか(w)と言うくらいでしょうか。

冗談はさておき、「可動域が増して筋の運動量が増えた」が彼らが主張したい正解なのでしょう。はてさて・・・可動域が増したとして、通常の生活でその増した分だけ可動させますか?ハムストリングス筋の柔軟性が回復したとして、日常の歩行でその分歩幅を広げて歩きますか?100歩譲って歩幅が増えたとして、その分歩行時間は短縮されてしまうのではないですか?

それならば歩行指導や体幹筋を鍛えるエクササイズを指導したほうが効果的だと思います。

何しても骨盤矯正ダイエットと明記されているものの中には、作用機序が説明されていないものが多いので注意が必要です。不透明な部分は骨盤ダイエットを明記している施術者に納得するまで説明してもらう事が必要だと思います。

また、カイロプラクティックを生業としながら、一時のブームに便乗するのはモラルとしていかがなものかと思います。一時話題となったオーラだのスピリチュアルだのを明記していた業界人も見かけました。占いや魔術と同列の時代へと逆行するつもりでしょうか?

まあ、こんな事言ってるから貧乏なのでしょうがw

ダイエットに関しては当方推奨の“王道ダイエット”しかありません。と言うかありえません。
摂取カロリー > 消費カロリー なら太る
摂取カロリー = 消費カロリー なら現状維持
摂取カロリー < 消費カロリー なら痩せる
つまりダイエットとは、摂取カロリーを減らすか、消費カロリーを増やすか、もしくはその両方を行なうかのどれかです。あなたが始めようと思っているダイエットが、この公式に当てはまらないようなものなら、それは眉唾です。


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